今日は、カマキリの体の中に潜む寄生虫ハリガネムシのお話をしました。お母さんたちは、ハリガネムシを見て「気持ち悪い~」って言っておられました。はじめは、見たままの反応で良いと思います。しかし、このセミナーはそれで終わりません。

ハリガネムシに寄生された多くの陸に住む昆虫(カマキリ・バッタ類)は、行動をコントロールされて水に飛び込みます。なぜなら、ハリガネムシは水の中で繁殖するためです。実は、そのような陸に住む昆虫は、全然関係ないと思われる水の中の魚などの大切な餌資源になっていたのです。この見た目が気持ち悪い生物も、水の生態系と陸の生態系を繋いでくれるとても大切な役割をしているという話をすると「気持ち悪い」から「へぇ~」に変わりました。

カマキリのお尻に水をつけたらハリガネムシが出てくる話をすると、子供たちは「知ってる~!!」となります。
でも、本当に大切なことは、なぜお尻に水をつけるとハリガネムシが出てくるのかです。そういった、様々な「なぜ?」を皆で考えて、違う視点から自然に興味を持てるようになると面白いですよ。

また、皆で今日は野外観察会に出かけ、「キマダラカメムシ」「アオクサカメムシ」「ハラビロカマキリの卵」「ゴキブリの卵」などを見つけることができました。冬でも、良く探してみると、姿を変え寒さをしのぐ色々な昆虫たちと出会うことができます。

投稿者プロフィール

渡部宏
渡部宏
通称カマキリ先生。子供からシニアの方までが、昆虫や自然を通じて生活や教育に役立て、生きる力を身につけるきっかけを作れるようなセンターを目指していこうと思っております。