先日、昆虫教室に重症のカマキリが私の元に担ぎ込まれてきました。

「先生、このカマキリを何とかしてください!お願いします。」

診断の結果、脱皮失敗による「左前脚(カマ)の重度の湾曲」「左後脚の中程度の湾曲」でした。
ちょうど、週末の昆虫教室でカマキリが脱皮失敗した時の対処法をお話するテーマだったので、お話後に公開手術を行いました。

まず、左後脚の湾曲している部分だけをハサミで切断し、次に左前脚も切断しました。前脚(カマ)の手術は初めてだったので、かなり勇気がいりましたが無事に手術は終了しました。

実は、湾曲したままだと体のバランスが悪く次の脱皮を失敗して死に至ります。湾曲部分を切断し、体のバランスを整えてあげることが大切です。しかも、次の脱皮で切断した部分が再生するので、こちらの方がはるかに生存率が高くなります。

しかし、ここからが大変です。片腕を失ったカマキリは、片脚でエサを捕まえて食べなければいけないからです。はじめは心配しましたが、なんとかショウリョウバッタ2匹とガを自力で食べました。食事後は、霧吹きで口に水を与え水を飲ましてあげています。

このカマキリも生きようと必死です。

最後まで見守ってあげようと思います。

投稿者プロフィール

渡部宏
渡部宏
通称カマキリ先生。子供からシニアの方までが、昆虫や自然を通じて生活や教育に役立て、生きる力を身につけるきっかけを作れるようなセンターを目指していこうと思っております。