カマキリ先生の平日こども昆虫教室では、子供たちと一緒に外に行って生き物を探しに行きます。昨日は、いきなり日本最大の「トビズムカデ」に出会いました。すると子供たちは、「気持ち悪い~」とか「怖い~」と怯えていました。素直な見たままの感想はとても大切です。でもそれで終わってしまうと生き物の見方は変わりません。

じゃあなんで気持ち悪いの?子供たちに聞いてみました。すると、「色が気持ち悪い」「足が多くて気持ち悪い」「家にも出るから気持ち悪い」と様々な意見が飛び交いました。

そうです。ムカデは生き延びるために、相手に対して怖いと思わせることが自身の身を守る術なのです。つまり、「気持ち悪い」と思わせたらムカデの勝ちなのです。

カマキリ先生のメモ
人間も含めて動物たちは「赤・黄・黒」などの色に対して警戒心を持ちます。これを「警告色(alarm color)」と言います。スズメバチやムカデなどの猛毒をもつ生き物は、確かにそのような配色をもち天敵に対して危ないことを警告します。一度、誤って攻撃して痛い目にあった生き物は、派手な色を暗記して攻撃しなくなります。つまり、警告色は派手な色を使って、天敵に1回で覚えさせるための技なのです。学校や街でとても派手な人がいたら、目立ってすぐに覚えるのと一緒です。また、スズメバチやアシナガバチが似たような配色(黄・黒)を持つことで、敵から身を守っていることを「ミューラー擬態」とも言います。生き物たちの色には、すべて意味があります。なので、昆虫を見て「気持ち悪い!」で済ますのではなく、なんで気持ち悪いのだろう?それにはどんな意味があるのだろう?そう捉えてみてはいかがでしょうか?身近な昆虫たちを少し違った目線で見てみるだけで、親近感が湧いてくるかもしれませんよ。

投稿者プロフィール

渡部宏
渡部宏
通称カマキリ先生。子供からシニアの方までが、昆虫や自然を通じて生活や教育に役立て、生きる力を身につけるきっかけを作れるようなセンターを目指していこうと思っております。