カマキリは、生まれた時の兄弟たちと協力することはない
孵化した後はそれぞれが散って行き、生きる。
肉食の彼らは、動くものに興味を示し、獲物だと判断すると、捕まえる。
だから、カマキリが集まって育つことは、ない。
秋になると、成虫になる者が出てくる。
その数は、最初に生まれた数からずいぶん減っている。
そんな生き方をしていることは、よく知られている。

だからといって、数少なく生まれてくることは、
成虫にたどり着かない確率が大きい。
ある程度の卵をメスは、産むことにより、世代がつながる。
多く産卵するためには、エネルギーが必要
捕食者に食べられることを見込んでいる。
幼虫の側から見ると、多くの兄弟がいることの利益がある。
1頭で生きてはいるが、その兄弟がいるおかげで、
誰かが成虫になれる。
お互いが生まれた結果ともいえる。

投稿者プロフィール

久留飛克明
久留飛克明昆虫科学教育館 館長
積極的に小学校やフィールドにおける昆虫教室などの活動に取り組み、ラジオ番組のほか、テレビ番組をはじめとするメディアでも活躍している。