チョウは、種類によって、成育と繁殖に向かない冬を越すために、乗り切るために、休眠という行動をとる。卵のままであったり、幼虫であったり、蛹であったり、中には成虫のままで、寒く動けない、厳しい冬を、じっとして物陰にかくれ雨風をしのぎ、あたたかくなる春を待つ・・冬の寒い日に、調査にでかけ山にいくと、落ち葉の下に隠れボロボロになった翅を守るようにじっと動かずにいる成虫の形で冬を越す”キタキチョウ”を見つけると、私はいつも思う。無事に春を迎える事ができるだろうか・どうか冬を越せますように、がんばりや!と話しかけてしまう。飼育していた”クロアゲハ”がこの時期に生まれてしまった。蛹を発見できず、暖かい部屋の中にいた蛹である。”クロアゲハ”は蛹の形で冬を越す。外はもう寒い。どうしょうか。そういえば、同じ失敗の相談をよく受ける。どう答えていたのか。自分のこととなると、答えがむずかしい・・

投稿者プロフィール

古橋紀子
古橋紀子
長年、箕面公園昆虫館のバタフライガーデンの運営を担当し、非常に困難な南方系の様々なチョウを年間を通じて飼育、放蝶させ、また他の施設では成功しなかった種類のチョウの累代飼育を成功させた昆虫飼育のプロの学芸員である。